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彗星夜戦を作る 1/144 彗星12戊型 芙蓉部隊
先日、思い立って 艦上爆撃機「彗星」の1/144模型(といっても、食玩ですが)を通信販売で購入しました。
国内で見つからなかったので e-Bayでの購入です。
購入したのは、
F-Toys 彗星11型
カフェレオ 彗星12型
カフェレオ 彗星33型
すべて、1/144の食玩です。
なぜ、彗星艦爆を探したかというと、私が生まれ育った二つの街に彗星装備で有名な「芙蓉部隊」が駐屯していたからです。
芙蓉部隊とは、特攻を拒否しつつも、困難な夜間攻撃を終戦まで継続した部隊として有名です。
海軍第131航空隊所属の3個飛行隊(戦闘804飛行隊、戦闘812飛行隊、戦闘901飛行隊)の通称が「芙蓉部隊」です。錬成基地である藤枝が富士山にちかいことから名付けられました。
編成上は、131空ですが、実際には航空隊司令の指揮を離れ、飛行長である美濃部正少佐の下で独立運用されました。
特に、沖縄戦が始まると鹿児島県鹿屋基地に進出(のちに鹿児島県岩川基地へ移動)し、沖縄の米軍に連日のように夜間攻撃を行い、それは終戦まで継続(8月14日に最後の未帰還機をだしている)した類まれな部隊です。他の部隊では稼働率低下に悩まされた水冷エンジン装備の彗星で70-80%もの稼働率を確保できたも異色。
岩川基地は現曽於市の八合原台地に建設されましたが、滑走路は転圧しただけで、昼間は草で覆い、牛を放牧して農地に偽装、米軍は終戦まで飛行場があることに気づかず、一度も空襲されませんでした。
なにからなにまで異色の部隊です。
そして、鹿屋、岩川は私が生まれ育った土地ゆえ、非常に強く惹かれました。
詳しくは、渡辺洋二氏の「彗星夜襲隊」をどうぞ。
この芙蓉部隊は、零戦と彗星夜戦(12戊型)を主力にしていましたので、今回は、このうち彗星12型をベースに 夜戦型である12戊型に改造してみました。
まずは、集めた資料とキット。
・世界の傑作機No.69「海軍艦上爆撃機『彗星』
・海軍戦闘第八一二飛行隊
まずは、カフェレオの彗星12型を開封、チェックしてみます。
機首上面の接合面にスキマが...
胴体右後部にも スキマ
胴体をバラしてみました。左が機首。 1/144の割にそれらしい操縦席。
ちょっと、旋回機銃が大きいか(^_^;)
主要部分をバラスと こんなかんじです。
さて、キットの彗星12型と夜戦型である12戊型の外形上の大きな違いは、
・後部風防がジュラルミンになっていること。
・後席の後方に99式20ミリ2号機銃4型を斜め銃を装備していること。
・前方風防が艦偵型同様の平面ガラスに変更されている。
ただし、芙蓉部隊は夜間の地上攻撃や艦船に対する攻撃が主任務だったため、斜め銃は外していることが多かったようです。終戦近くに米軍の夜間戦闘機が活動するようになったため、沖縄攻撃時の制空任務、つまり夜戦狩り任務に就いた機体では斜め銃を再装備したようです。
また、芙蓉部隊の特徴として新兵器の積極活用がありました。
具体的には、27/28号爆弾のようなロケット兵器や31号光電爆弾を積極的に利用したようです。
12戊型の模型を作るにあたっては斜め銃とロケット爆弾は目立つので、これらの装備タイプとしたいところです。
で、手元の参考資料にもとづき 131-80号機として作成することにしました。
この機体は、28号爆弾の発射レール装備で沖縄の飛行場攻撃するとともに、斜め銃を再搭載して
夜戦狩り任務にもついています。
【製作メモ】
・後部のジュラルミン製風防はストローで自作。
・斜め銃は 真鍮線で自作。瞬間接着剤をたらして、銃後方の太さを表現してみました。
・28号爆弾本体は小さすぎるため製作断念。
・同爆弾用発射レールは形状が不明なため推定です。0.75mmプラ棒で自作。
・射爆照準器の撤去
・前方風防の平面ガラス化は見た目に判別できないので省略。
・着艦フックの撤去
【塗装メモ】
「世界の傑作機」に掲載されている131空の彗星夜戦の写真はすべて機首下面は暗緑色です。
ただ、「海軍戦闘第812飛行隊」のP.177にある131-80号機と推定される写真では灰白色でしたので、これに従いました。
タイトル:彗星12戊型 芙蓉部隊 昭和20年6月10日
131空80号機(中川上飛曹-川添中尉ペア)は、昭和20年6月10日 0132に奄美大島上空の制空任務(敵夜戦狩り)のため、鹿児島県岩川基地を28号爆弾×4、斜銃装備で発進。
奄美大島付近で米夜戦2機と空戦、其の1機の撃墜(不確実)を報じた。
奄美大島付近で米夜戦2機と空戦、其の1機の撃墜(不確実)を報じた。
同機は、0448帰投したが降着時中破。
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 左前方より。
主翼下面に28号爆弾用ランチャー、後席に斜め銃装備。
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 ほぼ前方より。
機首下面の空気吸入口内に水冷却器を再現してみました。
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 右前上方より。
後席に斜め銃が見えます
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 左前上方より。
主翼付け根の段差は未修正(^^ゞ
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 左後上方より。
垂直尾翼の機体番号は手書き。
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 後上方より。
主翼と胴体の日の丸の白フチは塗りつぶしています。
芙蓉部隊 彗星夜戦 131-80号機 右側方より。
ジオラマベースの緑が 6月の南九州っぽく見えませんか?