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2012年11月11日日曜日

海上自衛隊の護衛艦命名についての一考察

海上自衛隊の護衛艦命名についての一考察

旧海軍含めて、各国海軍は艦艇をいくつかのクラスに分類しています。任務の違いや、はては艦長の階級、給与の違いとリンクしているわけです。
さて、戦後の我が海上自衛隊の使用する艦船は「自衛艦」と「支援船」に区分されます。「自衛艦」が国際法上の軍艦になります。
この「自衛艦」は予算上「警備艦」と「補助艦」に分けられていますが、「警備艦」はその任務により、「機動艦艇」「機雷艦艇」「哨戒艦艇」「輸送艦艇」に細かく区分されます。「護衛艦」は前記「起動艦艇」の中心になる「艦種」です。
ただ、海上自衛隊は「護衛艦」「潜水艦」の2つにしか分類していないのです。
他国、アメリカの場合、日本の「起動艦艇」に含まれる艦種は、
 航空母艦
 巡洋艦
 駆逐艦
 フリゲート
 潜水艦
などがあります。
つまり、日本の「護衛艦」は世間の「巡洋艦」「駆逐艦」「フリゲート」を含めた区分(水上戦闘艦くらいの意味)です。
艦種区分は、各国が独自に決めるので別におかしくはありませんね。

ちなみに、我が護衛艦の艦名でなんとなく、その時々での海上自衛隊内での位置づけ(期待度?)が解ります。

最新ヘリ搭載護衛艦DDHは、世間でいうヘリ空母みたいなものですが、「いせ」「ひゅうが」と旧国名を当てています。これは旧海軍では戦艦の命名基準。
ちなみに旧海軍の伊勢型戦艦「伊勢」「日向」はミッドウェー海戦の敗北後、空母不足を補うため航空戦艦に改装されました。戦艦の中から伊勢型と同じ艦名を採用したのは、意味があるのでしょう。
旧型ヘリ搭載護衛艦DDHは、「ひえい」「しらね」など、山の名前。山の名前は旧海軍の一等巡洋艦の命名基準です。当時の護衛艦のなかで最大の艦だったDDHに一等巡洋艦の名称だったわけです。
同じDDHでもヘリ搭載護衛艦(3機搭載)から実質的なヘリ空母に拡大強化されたことで艦名が 一等巡洋艦から戦艦のそれに格上げされたわけです。

DDGでも同様のことが見て取れます。
現在のイージス護衛艦DDGは、「こんごう」「あたご」など山の名前で、一等巡洋艦の基準。
同じDDGでもイージス以前の艦は「たちかぜ」「はたかぜ」で天象・気象を表す単語で旧海軍では駆逐艦と同じ基準。イージス搭載型になって性能が大幅アップして、大きくなったので、駆逐艦から巡洋艦に格上げになっています。

ちなみに現在建造中のあきづき型護衛艦は区分こそDDですが、従来のDDに対して対空戦能力をを大幅に強化し僚艦防空能力をもった、いわば防空直衛艦。艦名の「あきづき」は旧海軍の防空駆逐艦「秋月」型にならった命名です。

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