古代が上級者や先任者(森船務長)(注1)を差し置いて艦長代理につくことができるか?
指揮権継承は軍隊に限らず企業でも「決裁権限」と「権限移譲・委任」の規定を作成するわけで、一般社会でも重要な問題なんですよね。
現実世界で権限継承が詳細に定められている例に米国の大統領権限継承順位がありますよね。18位まで定められているそうで。日本国首相の権限継承順位は組閣時に5位まで指定して官報掲載されてるし。兎にも角にも重要な問題なわけで。
では、軍隊での指揮権継承はというと、代理する者が別に定められていない場合は将校名簿の記載順とするのが世界共通です。
因みに日本海軍では「軍令承行令」で継承順位が定められていましたし、自衛隊では防衛庁訓令第80号「指揮代理に関する訓令」、防衛庁訓令第12号「自衛官の順位に関する訓令」で規定されています。
ちなみに、以下で読めます。
・防衛庁訓令第80号「指揮代理に関する訓令」http://t.co/GebUIKDd
・防衛庁訓令第12号「自衛官の順位に関する訓令」http://t.co/Bzjaw427
そこでヤマトですが、上記を考えると、いよいよ古代がヤマトの指揮を執ることは難しくなります。
上級者として真田三佐、徳川三佐がいて、同じ一尉でも森船務長 新見さんが先任です。(注2)
旧作の沖田さんの命令をもって「代理に指定された」者といえるのかは?です。
2199ではひとつウルトラCの提案。古代を野戦任官で二佐に任じてしまう、という解決策はどうでしょう?
ちなみに、現実世界の海上自衛隊では尉官の任免(採用・昇任・退職等)権は海幕長、佐官は防衛大臣に任免権があります。あと、尉官であっても有事(訓令では行動中)の退職も防衛大臣の許可が必要。
ということで、艦長がある幹部を戦時昇進させることはできません。
フィクション作品中ならなんでもありなので、戦時昇進や補職の権限を艦長に委任できる規定がある、
と設定すればALL OKだと思います。
設定に階級を持ち込んだことは制約になる一方、うまく料理すれば新しいエピソードを作れるわけですから物語に活かしてほしいものです(ああ、話がまとまらない)。
注1)第1章のパンフレットなどで最初から1尉となっていたので、森雪が古代たちより先任かと思っていましたが、映像では肩章が一本線でメ号作戦から帰還した古代、島と同じでした。よって、キャラ紹介等にはありませんが、ヤマト乗組、船務長発令の際 一尉の特進したようです。 2013.01.23追記
注2)第2話を見なおしたところ、古代や雪の肩章が1本の三尉のシーンでも新見さんは三本線で一尉でした。 2013.01.23追記
海上自衛隊の護衛艦命名についての一考察
旧海軍含めて、各国海軍は艦艇をいくつかのクラスに分類しています。任務の違いや、はては艦長の階級、給与の違いとリンクしているわけです。
さて、戦後の我が海上自衛隊の使用する艦船は「自衛艦」と「支援船」に区分されます。「自衛艦」が国際法上の軍艦になります。
この「自衛艦」は予算上「警備艦」と「補助艦」に分けられていますが、「警備艦」はその任務により、「機動艦艇」「機雷艦艇」「哨戒艦艇」「輸送艦艇」に細かく区分されます。「護衛艦」は前記「起動艦艇」の中心になる「艦種」です。
ただ、海上自衛隊は「護衛艦」「潜水艦」の2つにしか分類していないのです。
他国、アメリカの場合、日本の「起動艦艇」に含まれる艦種は、
航空母艦
巡洋艦
駆逐艦
フリゲート
潜水艦
などがあります。
つまり、日本の「護衛艦」は世間の「巡洋艦」「駆逐艦」「フリゲート」を含めた区分(水上戦闘艦くらいの意味)です。
艦種区分は、各国が独自に決めるので別におかしくはありませんね。
ちなみに、我が護衛艦の艦名でなんとなく、その時々での海上自衛隊内での位置づけ(期待度?)が解ります。
最新ヘリ搭載護衛艦DDHは、世間でいうヘリ空母みたいなものですが、「いせ」「ひゅうが」と旧国名を当てています。これは旧海軍では戦艦の命名基準。
ちなみに旧海軍の伊勢型戦艦「伊勢」「日向」はミッドウェー海戦の敗北後、空母不足を補うため航空戦艦に改装されました。戦艦の中から伊勢型と同じ艦名を採用したのは、意味があるのでしょう。
旧型ヘリ搭載護衛艦DDHは、「ひえい」「しらね」など、山の名前。山の名前は旧海軍の一等巡洋艦の命名基準です。当時の護衛艦のなかで最大の艦だったDDHに一等巡洋艦の名称だったわけです。
同じDDHでもヘリ搭載護衛艦(3機搭載)から実質的なヘリ空母に拡大強化されたことで艦名が 一等巡洋艦から戦艦のそれに格上げされたわけです。
DDGでも同様のことが見て取れます。
現在のイージス護衛艦DDGは、「こんごう」「あたご」など山の名前で、一等巡洋艦の基準。
同じDDGでもイージス以前の艦は「たちかぜ」「はたかぜ」で天象・気象を表す単語で旧海軍では駆逐艦と同じ基準。イージス搭載型になって性能が大幅アップして、大きくなったので、駆逐艦から巡洋艦に格上げになっています。
ちなみに現在建造中のあきづき型護衛艦は区分こそDDですが、従来のDDに対して対空戦能力をを大幅に強化し僚艦防空能力をもった、いわば防空直衛艦。艦名の「あきづき」は旧海軍の防空駆逐艦「秋月」型にならった命名です。