「空の真珠」
先日、通信販売で F-toysの 1/144 「ウイングキットコレクション Vol.9」のバッファローを購入しました。
もちろん、フィンランド空軍 第24戦隊機Ver.です。
F-toysから発売された本キットは塗装済み半完成品。いわゆる食玩というやつです。 |
フィンランドと聞いて、なにを連想するでしょう?
サウナ?オーロラ?ノキア社?ムーミン?サンタクロース?
ひょとすると東郷ビール?
私も高校の頃、朝日ソノラマの航空戦史シリーズ「北欧空戦史」(著:中山雅洋)を読むまでフィンランドについてほとんど知りませんでした。
実は、フィンランドは第二次大戦では枢軸側、つまり日独伊の側で戦った国で、おまけに雲霞のように押し寄せるソビエト軍を相手に少数の戦力で戦い抜いた国だったのです。
そして、なにより驚いたのが、ブリュースター・バッファローという米国製戦闘機を駆使したフィンランド空軍の活躍ぶりです。
戦史に興味がある方はご存知でしょう。バッファローは東南アジアの英蘭軍やミッドウェーの米海兵隊が装備しており、わが1式戦「隼」や零戦にまったく刃が立たなかった(ヤラれ役、カモといってもいいほど)戦闘機として記憶していました。
ところが、フィンランド空軍は継続戦争(1941年6月26日から1944年9月19日にかけて、ソビエト連邦とフィンランドの間で戦われた戦争)の前半のわずか44機のブリュースター B-239「バッファロー」を主力として戦線を支えたというのです。
そして、救国の英雄とでもいうべきこの戦闘機をフィンランドの人々は「空の真珠」と呼んで愛しているというのです。英国人にとってのスピットファイアや日本人にとって零戦と同じように特別の存在なのでしょう。
この北欧の小国の戦いぶりにいたく感動したことを覚えています。
今回購入したのは、そのフィンランド空軍 第24戦隊機。
※第24戦隊は 最精鋭を配備した、フィンランド空軍の要です。冬戦争時は D-21、継続戦争前期は B-239を装備して戦いました。特に、わずか44機しかないB239は24戦隊に集中配備されました。
朝日ソノラマ「北欧空戦史」(著:中山雅洋)昭和57年7月20日発行の初版とバッファロー |
このキットは BW-370またはBW-378の2機から選べます。私は、BW-378「黒の5」にしてみました。 |
ライターとの比較。1/144ですから小さい小さい。 |
BW-378「黒の5」は、24戦隊第4中隊 ベル=エリク・ソヴェリウス大尉(後 少佐)機。 |
ストパン(ストライク・ウィチーズ)のエイラのモデルになった エイノ・イルマリ・ユーティライネン准尉(撃墜数94機+1/6)もBf-109Gに機種転換するまで24戦隊でバッファローを駆っていました。