今さらではありますが、宇宙戦艦ヤマト 第4章を観て感じたことを。
ヤマト2199の第4章では 沖田艦長が部隊統率者としての能力に欠け、それどころか命令には従わなければならない、という軍人としての基本的なことすら正しく理解していない愚鈍な、いや存在を許してはいけない軍人に貶められているとすら感じられます。
甚だ残念、いえ腹立たしいことです。
第11話「いつか見た世界」(脚本:出渕裕)で、ガミラスとのファーストコンタクトをめぐる秘密が明らかにされます。
中央司令部の決定として芹沢軍務局長が攻撃命令を沖田司令官に伝えるも、沖田司令官は慎重に行動スべきだとして反対意見を具申。そのため”軍務局長権限”で芹沢から艦隊司令官職を解任されたことが描かれています。
第12話「その果てにあるもの」(脚本:出渕裕)では、沖田艦長自らファースト・コンタクトでの先制攻撃命令に反対して解任された話をし(反対しただけなのに自ら命令違反と言わせている)、「正しいと思うか?」と古代に問いかけます。
そして、その後、「軍人であっても一人の人間として行動しなければならないことがある。人は間違いを犯す。もしそれが命令であったとしても。間違っていると思ったら立ち止まり自分を貫く勇気も必要だ」と語らせています。
沖田さんが古代に語った、間違った命令に従うか否か、という問題について。
現実世界では「違法な命令に従ってはならない」という主旨の規程が各国軍にあります。自衛隊の場合、他国ほど明確でないにしても違法な命令に従う必要はないと解釈されています(注)。
ということは、合法的で正当な手続きに基づく命令には従う義務がある訳です。
(注)「軍事組織における指揮命令関係の課題」
http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j12-2-3_3.pdf
ですが、12話の沖田さんのセリフでは「自分と上級司令部の考えが異なった場合、従う必要はない」という意味にとれてしまいます。命令の合法性は問題にしていません。
実際、13話で、古代は沖田さんの話を思い出して、独断専行しています。
そもそも12話の沖田さんのセリフがおかしいのです。
沖田さんに、個人の考えに反した命令に従う必要はない、という主旨で語らせたのは大間違いです。
そんなことは「絶対に」許されることではありません。
沖田さんが、命令に反対を表明しただけで解任されたとすれば合法的な命令に違反した訳ではないと理解できます。しかし、命令の実行の拒否なら命令違反です。
11話の画面では、反対意見の表明だけだったのに、12話でわざわざ「命令違反」と言わせてしまったため好意的に解釈することすらできなくなっています。
もし、上官命令に従うべきか否か?という問題を描写するなら、ファースト・コンタクト時の「先制攻撃」命令は、事前に定められた国連宇宙軍のROE(交戦規定)に明白に違反する命令である描写にすべきでした。国連宇宙軍の中央司令部の芹沢一派が上級組織である国連宇宙防衛委員会の定めた交戦規定に反した先制攻撃命令を下したとすべきだったのです。
その場合、当然 11話で登場する広報映像の「史上初の太陽系外からの敵に対する防衛行動が発令」というNCもボツです。
上級司令部の明確な命令に反対することはそれだけで勇気がいることですから、十分でしょう。
おまけに、その行動は「公式」には称賛される行動ですから、沖田さんを貶めることにはなりません。
宇宙戦艦ヤマトシリーズが生んだ 日本の、いや地球の英雄はなんといっても沖田艦長でした。
沖田艦長を超える英雄はあらわれることがなく、完結編では 再び沖田艦長が登場するほかなかったほどです。言い換えると、宇宙戦艦ヤマトの主人公は沖田艦長(そして、ヤマト自身)だと言っても過言ではないでしょう。
もちろん、私にとっても宇宙戦艦ヤマトで大好きなキャラクターであり、尊敬する偉大な軍人だったわけです。
その沖田さんを「ガミラス」大好きな出渕監督はわざと貶めて、英雄の座から引きずり落とそうとしているのではないか?とすら疑いたくなります。
追記:大体、軍務局長は官衙の長ですから、指揮権もなければ艦隊司令官の任免権もありません。
また、広報映像で「史上初の太陽系外からの敵に対する防衛行動が発令」と戦う気満々でいながらガミラスが悪い、って広報としてどうよ?矛盾してるじゃないか。
やっぱり、脚本の詰めが甘いだけか?
大体、民間企業でも取締役会決議が自分の考えとあわないからって決議事項無視したらどうなるかを考えてみたら11、12話の脚本がいかにおかしいか分かる。
ヤマト2199の第4章では 沖田艦長が部隊統率者としての能力に欠け、それどころか命令には従わなければならない、という軍人としての基本的なことすら正しく理解していない愚鈍な、いや存在を許してはいけない軍人に貶められているとすら感じられます。
甚だ残念、いえ腹立たしいことです。
第11話「いつか見た世界」(脚本:出渕裕)で、ガミラスとのファーストコンタクトをめぐる秘密が明らかにされます。
中央司令部の決定として芹沢軍務局長が攻撃命令を沖田司令官に伝えるも、沖田司令官は慎重に行動スべきだとして反対意見を具申。そのため”軍務局長権限”で芹沢から艦隊司令官職を解任されたことが描かれています。
第12話「その果てにあるもの」(脚本:出渕裕)では、沖田艦長自らファースト・コンタクトでの先制攻撃命令に反対して解任された話をし(反対しただけなのに自ら命令違反と言わせている)、「正しいと思うか?」と古代に問いかけます。
そして、その後、「軍人であっても一人の人間として行動しなければならないことがある。人は間違いを犯す。もしそれが命令であったとしても。間違っていると思ったら立ち止まり自分を貫く勇気も必要だ」と語らせています。
沖田さんが古代に語った、間違った命令に従うか否か、という問題について。
現実世界では「違法な命令に従ってはならない」という主旨の規程が各国軍にあります。自衛隊の場合、他国ほど明確でないにしても違法な命令に従う必要はないと解釈されています(注)。
ということは、合法的で正当な手続きに基づく命令には従う義務がある訳です。
(注)「軍事組織における指揮命令関係の課題」
http://www.nids.go.jp/publication/kiyo/pdf/bulletin_j12-2-3_3.pdf
ですが、12話の沖田さんのセリフでは「自分と上級司令部の考えが異なった場合、従う必要はない」という意味にとれてしまいます。命令の合法性は問題にしていません。
実際、13話で、古代は沖田さんの話を思い出して、独断専行しています。
そもそも12話の沖田さんのセリフがおかしいのです。
沖田さんに、個人の考えに反した命令に従う必要はない、という主旨で語らせたのは大間違いです。
そんなことは「絶対に」許されることではありません。
沖田さんが、命令に反対を表明しただけで解任されたとすれば合法的な命令に違反した訳ではないと理解できます。しかし、命令の実行の拒否なら命令違反です。
11話の画面では、反対意見の表明だけだったのに、12話でわざわざ「命令違反」と言わせてしまったため好意的に解釈することすらできなくなっています。
もし、上官命令に従うべきか否か?という問題を描写するなら、ファースト・コンタクト時の「先制攻撃」命令は、事前に定められた国連宇宙軍のROE(交戦規定)に明白に違反する命令である描写にすべきでした。国連宇宙軍の中央司令部の芹沢一派が上級組織である国連宇宙防衛委員会の定めた交戦規定に反した先制攻撃命令を下したとすべきだったのです。
その場合、当然 11話で登場する広報映像の「史上初の太陽系外からの敵に対する防衛行動が発令」というNCもボツです。
上級司令部の明確な命令に反対することはそれだけで勇気がいることですから、十分でしょう。
おまけに、その行動は「公式」には称賛される行動ですから、沖田さんを貶めることにはなりません。
宇宙戦艦ヤマトシリーズが生んだ 日本の、いや地球の英雄はなんといっても沖田艦長でした。
沖田艦長を超える英雄はあらわれることがなく、完結編では 再び沖田艦長が登場するほかなかったほどです。言い換えると、宇宙戦艦ヤマトの主人公は沖田艦長(そして、ヤマト自身)だと言っても過言ではないでしょう。
もちろん、私にとっても宇宙戦艦ヤマトで大好きなキャラクターであり、尊敬する偉大な軍人だったわけです。
その沖田さんを「ガミラス」大好きな出渕監督はわざと貶めて、英雄の座から引きずり落とそうとしているのではないか?とすら疑いたくなります。
追記:大体、軍務局長は官衙の長ですから、指揮権もなければ艦隊司令官の任免権もありません。
また、広報映像で「史上初の太陽系外からの敵に対する防衛行動が発令」と戦う気満々でいながらガミラスが悪い、って広報としてどうよ?矛盾してるじゃないか。
やっぱり、脚本の詰めが甘いだけか?
大体、民間企業でも取締役会決議が自分の考えとあわないからって決議事項無視したらどうなるかを考えてみたら11、12話の脚本がいかにおかしいか分かる。
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